糸リフトで後悔したくない方へ。医師が教える「失敗の正体」と後悔しないための全知識
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糸リフトで「やらなきゃよかった」と後悔する4つの原因
なぜ、期待して受けた施術で後悔が生まれてしまうのでしょうか。その主な原因は以下の4点に集約されます。
1. ひきつれ・凹凸(仕上がりの不自然さ)
皮膚の非常に浅い層に糸を通してしまったり、特定の箇所にだけ過度な力が加わったりすることで起こります。特に笑顔になった時に「不自然な線」が入る失敗は、解剖学的な理解不足が原因です。

2. 「すぐ元に戻った」という期待値の乖離
糸リフトは物理的に組織を移動させますが、時間の経過とともに糸は吸収され、組織は馴染んでいきます。「一生引き上がったまま」ということはありません。この持続期間(一般的に1年〜1年半)や、糸の本数による効果の差を医師が事前に正しく説明していない場合に、「失敗した」と感じやすくなります。

3. 顔が横に広がって見える(デザインミス)
たるんだ組織を斜め後ろに引き上げるのではなく、真上に引っ張りすぎると、頬骨の横に組織が溜まり、顔が大きく見えることがあります。お一人おひとりの骨格に合わせた「引き上げのベクトル(方向)」が計算されていないことが原因です。

4. 痛みや違和感の長期化
術後1〜2週間程度のツッパリ感や軽微な痛みは正常な経過ですが、1ヶ月経っても強い痛みが続く、あるいは赤く腫れるといった場合は、筋肉や神経を傷つけていたり、感染や糸の露出の可能性があります。

糸リフトのメリットとデメリット
医療に「メリットしかない」治療は存在しません。両面を正しく理解することが、後悔を防ぐ最大の防御策です。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 施術効果 | メスを使わず、直後からリフトアップを実感できる。 | 重度のたるみ(余った皮膚が多い場合)には限界がある。 |
| 肌質への影響 | 糸の周囲にコラーゲンが生成され、肌にハリとツヤが出る。 | 術後数日間は内出血や、肌に触れた時の違和感が生じることがある。 |
| 将来への投資 | たるみの進行を遅らせる「エイジングケア」としての効果。 | 永久的な効果ではないため、定期的なメンテナンスが必要。 |
失敗を防ぐために、あなたが「クリニック選び」で確認すべき3つのこと

多くの情報が溢れる中で、どのクリニックを信じれば良いのか。選定の基準を明確にします。

① 「症例写真」の自然さを見る
極端に引き上げられた写真だけでなく、横顔のラインが自然かどうかをチェックしてください。また、
- 過剰な加工がされていないか
- ビフォアとアフターで顔の角度が揃っているか
- 正面、斜め横、真横の最低3つは症例があるか
等もチェックするポイントです。リアルな経過を載せているクリニックは信頼に値します。
② 医師が直接、リスクと限界を説明しているか
「絶対上がります」「一生持ちます」といった誇大表現ではなく、デメリットや「あなたの肌質ならここまでが限界」という現実を伝えてくれる医師を選んでください。
③ 「形成外科」のバックグラウンドがあるか
顔の構造は非常に複雑です。血管や神経を避けつつ、どの層に糸を置くのがベストかを熟知している「形成外科的知見」を持つ医師による施術をお勧めします。
まとめ
糸リフトは、正しく行えば「5年前の自分」に出会える、非常に満足度の高い治療です。 私は、患者様が「やってよかった」と心から笑顔になれる瞬間が、医師として最も嬉しい時です。
ネットの情報に振り回され、不安で立ち止まってしまうのはもったいないことです。もしあなたが今、一人で悩んでいるのなら、その不安をそのまま私に聞かせてください。
糸リフトがベストな選択なのか、それとも他の方法があるのか。プロの目として、そして同じ女性として、誠実にお答えいたします。